9月4日から9日まで、私の担当する3・4年「コース演習」ゼミと2年「テーマ演習」ゼミの合宿を行いました。
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新型コロナウィルスが蔓延して2年間実施できなかったために、実に3年ぶりのゼミ合宿となりました。
とくに4年生は、本格的なゼミ活動の始まる2年生のときからコロナで合宿ができなくなったため、今回のチャンスを逃すと夏合宿を1回も経験しないまま卒業することになってしまいます。なんとかそれだけは避けたいと、十分に計画を練り、学長への申請と許可を得てようやく合宿が実現しました。
ゼミ生たちもこのような合宿を待ち望んでいたのでしょう、初日から「予想の3倍楽しい!」という声が聞かれました。

今回の合宿地は以前から恒例の長野県栄村です。長野県の北端にあり、新潟県に接する田舎の村です。
日程は、3・4年生が9月4日~7日の3泊4日、2年生が7日~9日の2泊3日でした。
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内容は、農作業体験や生活文化体験、また文化施設や山間地域の見学などでしたが、学生たちはいずれも普段の日常生活とはかけ離れた田舎の生活に、さまざまな衝撃を受け、また多くの学びを得たようでした。
栄村は、2011年3月12日に大震災に見舞われた被災地ですが、村の中でも特に精力的に復興に取り組んだ小滝地区で合宿をしたため、震災復興に向けてどのような取り組みをしたのか、その話を地区の方から聞かせていただくこともできました。
農作業体験では、晩秋に収穫するためのキャベツ苗の植え付けや白菜・大根の種まきを行ったほか、苗箱洗い体験、特産米出荷の荷造りやこれから本格的に始まる稲の収穫に備えて30キロ米袋のスタンプ押しなども体験しました。
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また、生活文化体験では、21トンのパワーがあるエンジン薪割り機を使っての薪割り体験、集落裏の里山森林整備体験などを行いました。P9052067
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どの体験も普段の生活ではほとんどできないものばかりでしたが、学生たちは目を輝かせて手を動かしていました。薪割り体験をした学生は、「丸一日やっていたかった」と話すほどでした。

3・4年生の合宿日程が1日長かったのは、丸一日を費やして奥深い山間地である「秋山郷」を探訪したからでした。
栄村は面積がたいへん広く、長野県で最も標高の低い地域から、2000メートルを超える山までかなり標高差があります。「秋山郷」は江戸時代から秘境の山村として知られた土地で、宿泊していた千曲川沿いの小滝地区とはまったく生活環境が異なります。
両地域を比較しながら実地に訪ねてみることでその違いを肌感覚で感じとってもらいたいと思い、巡検を実施しました。最も奥地の切明地区では、川原から湧出する珍しい温泉でくつろぎました。
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合宿中の食事は、ほぼすべて地元食材を使った手作りの自炊です。
地元の方から食べきれないほどの大量の野菜を差し入れしていただき、それを工夫しながらさまざまな料理を作りました。
無農薬の手作り野菜のおいしさにも目覚めたのではないでしょうか。
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地元の多くの皆さんに支えられて実施できた合宿でした。
地元の方と焚き火を囲んで「生きることとは」「人生とは」「仕事とは」など、普段面と向かってはできない話をできたことも幸運でした。
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栄村は毎年冬に3メートルほどの雪が積もる豪雪地です。
夏とはまったく一変する冬の風景や生活の姿を知ることも大きな学びになるでしょう。
冬の時期にもゼミ合宿の第二弾ができればと考えています。