フィルスタコースのブログ

中央学院大学 法学部 フィールドスタディーズコースの情報を発信するブログです。

2019年07月

以前、本学では、入学式の終わったすぐあとの日程で、新入生合宿をやっていました。新入生全員が大型バスに分乗して関東圏の大型ホテルに行き、1泊2日の行程でさまざまなイベントをやりました。
バスの中ではレクリエーションをやり、現地に着いてからはゼミ単位での科目履修登録票の作成、そして夜には学部全員が一同に顔を合わせ、レクリエーション大会をやっていました。この日に向けて、学生たちの中から志望した何十人からのスタッフが企画を練り、新入生を迎えるべく、数ヶ月も前から準備をしていました。
今は日帰りで行われるようになった「プライムセミナー」の前身です。
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   かつて合宿形式でやっていたプライムセミナー(1999年の夜のレクリエーションの様子)
合宿形式の旧プライムセミナーは、経費がかかるということで廃止になりましたが、今でも有意義な合宿だったと思います。

何より、一夜の宿をともにするという経験が入学したての不安を抱えた学生どうしの距離を一気に縮め、一晩経てば、帰りのバスの中ではすっかり仲良くなっていました。友達ができれば、大学生活の困りごとなども相談できますし、お互い助け合って、早く新しい生活にも慣れることができます。

ところで、入学して数日後というわけにはいきませんが、今でも入学後1ヶ月くらいまでを目途に、全員で1泊2日の新入生合宿を実施しているコースがあります。
それが、わがフィルスタコースです!

こちらのブログでも紹介してきていますが、フィルスタコースでは、毎年4月から5月にコース新入生全員参加の「館山合同合宿研修」を行っています。
この合宿研修は、もちろん宿をともにして一晩を楽しく過ごしますので、全員が打ち解けてすぐに仲良くなることは当然なのですが、それだけではありません。
コース教育にとっても、たいへん重要な意味をもっています。

フィルスタコースの教育キーワードは「平和」「環境」「地域」です。そして卒業後の進路としてNPO(非営利組織)やNGO(非政府組織)への就職も視野に入れています。
合宿地である千葉県南端の館山市は、太平洋に突き出した温暖で風光明媚な地ですが、実は〝平和・交流・共生〟にちなんだ見どころがたくさんある、フィルスタコースにぴったりの場所だったのです。
館山は第二次世界大戦時の貴重な戦跡が数多く残る土地であり、また内閣官房長官賞ほか多数の受賞をしている活動実績豊富なNPOが活躍している場所でもあります。そして何より、本学の研修施設「館山セミナーハウス」があるのです!
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 本学の研修施設「館山セミナーハウス」はホテルのような施設!

毎年4月~5月の土日に、フィルスタコースでは、1泊2日で館山を訪れ、NPO法人「安房文化遺産フォーラム」の講義を受け、またガイドをしていただいて市内の戦跡を実際に自分たちの目で見て回ります。
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 NPO「安房文化遺産フォーラム」の愛沢伸雄代表の講演を聴く
戦跡ばかりではありません。館山を舞台にした芸術や文化の縁の地を訪ね、丁寧なガイドをしてもらっています。それは同時に足元の地域を見直し、活性化させる「地域おこし」の現場でもあります。2日間の講義とガイドを通して、新入生たちはNPOとはどのような組織なのか、どんな活動をするのかも自然に理解していきます。
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    2日目には、1日かけて戦跡や文化の地をNPOにガイドしてもらいます

コース関係の先生方からの講話もあり、フィルスタコースがどんなコースなのか、これからどんな学修をしていくのかもじっくり説明します。毎回1人の先生が、講演をして、自分の専門分野の研究のことなども話します。高校とはひと味違う大学らしさにも触れることができます。
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    今年は西洋政治史の花房秀一先生に専門のフランスのお話をうかがいました
夜には、新入生と先輩スタッフと教員の交流会も開かれ、ユニークな自己紹介に爆笑が湧き起こり、あっという間に全員が打ち解けていきます。
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  あっという間に打ち解けていく新入生たち
入浴、食事、夜のカードゲームなどを通して、翌日にはもう全員が仲良くなっています。

フィルスタコースでは、この合同合宿研修を初年次教育の出発点として、とても重要視しています。実際、ここでの2日間がコースの雰囲気やコースでの学修を理解し、これからスムースに大学生活に入っていくうえで、非常に重要な役割を果たしているのです。
フィルスタコースに入学した新入生たちは、中央学院大学で何を学び、何を目指していけばいいのか、それを納得してこれからの学生生活に入っていくことができます。

次回は第3回。
ファルスタコース紹介③-1年次前期で立派なレポートが書けるようになる!です。どうぞお楽しみに!

「フィールドスタディーズコース」。横文字で長い名前の本コースはどんなコースなのか。よくわからない方も多いと思います。
そこで!! 今回から4回連続でコースの紹介をしていきます!

まずコースの長~い名前から説明していきましょう。
「フィールドスタディーズ」は、「フィールド(野外・現場)」と「スタディーズ(学習・研究)」の合体語です。つまり「野外・現場で学ぶ・研究する」コースという意味です。名前が長いので、学生も教職員も「フィルスタ」と呼んでいます!
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ところで、法学部のディプロマポリシー(こういう資質を身につけた学生を卒業させるという目標が書かれたもの)には、今の社会で法というルールがますます重要になってきたことを強調したあと、次のようにあります。「しかし、法の機能を過信し、人間を正面から見つめようとしなければそれは本末転倒であり、他者に対する共感や理解、現代社会成立の経緯や実情を踏まえて法を見つめる、バランス感覚を備えた人材こそが求められています。」
つまり法というルールを知るだけでは不充分で、社会の実態を知らなければ法も活かすことはできない、と述べているのです。弱者、虐げられた人々などの実態を知ることで、「他者に対する共感や理解」もまれます。
法学部の教育理念は、「人権感覚の育成と共生意識の確立」ですが、法学部はその言葉どおり、多様な人々が共に生きていける意識を身につけ、この社会できちんとした考えをもって生きていける真っ当な社会人を送り出したいと願っています。
そして、そのために必要なのが法律の勉強とともに、社会の実態を知るための学習です。フィルスタコースは、学外に飛び出し、現場を知ることで、社会で法を活かせる人材を育てよう!というポリシーをもっているのです。

現場を知ることは、「え、何で?」「それって、おかしくない?」というさまざまな疑問を持ち帰ることでもあります。また、「なるほど、実際の社会はこうなっているんだね!」という生きた知識を得る場にもなります。
それがただの机上の勉強にすぎなかったものを、自分の疑問を解き、解決策を考える生きた勉強に生まれ変わらせます。現場を知ることが、大学での勉強のモチベーションを高めるのです。
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       館山合宿研修での戦跡巡検

また、フィルスタコースの教育キーワードは、「平和」「環境」「地域」です。
今、七十数年維持されてきた平和な日本が岐路に立たされています。「平和であること」とは何なのか、平和を維持するにはどうすればいいのか、を共に考えます(必修「平和学」館山合宿研修における戦跡の巡検など)。
また人間が生き延びていける環境を維持するためにどうすればいいのか、環境を保全するとはどういうことなのか、もテーマとしています(選択必修に「環境法」、お薦め科目に日本列島の環境や災害を知る水本先生の「地学」)。
さらに、日本全体が元気になるためには、東京だけが元気であっても無意味です。特色と個性をもった多様な「地域」が生き生きすることで、日本全体の底力が上がって行くのです。地域を知ることは、今まで当たり前だと思っていた都市の常識を見直すことにつながります(ゼミ合宿を愛媛県・長野県など各地で開催)。
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  昨年度の長野県でのゼミ合宿(2018年8月)

フィルスタコースでは、1年次の始めから現場を知るための機会(館山合宿研修)を設けるとともに、フィールドに出る方法や技術・心構えについての手ほどきの科目も設け(「フィールドワーク実践」など)、丁寧に指導しています。NPOやNGOなどの非営利活動法人を知るための授業(「NPO・NGO論」)も必修科目として用意しています。

また、フィルスタコースは、中学や高校の社会科系の先生になるための「教職課程」にうってつけのコースです。法学部では「中学社会科」「高校地歴科」「高校公民科」の教員免許が取得できますが、教職課程を担当している教員2名が、コース委員として直接コース教育を担っています。また、広く深い教養が必要な社会科系教員として、現場を知り、社会の実態を知ることを趣旨とする本コースは、自ずと社会性が身につく要素を多く備えています。
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フィルスタコース学生の教育実習(2019年6月)

受験生の皆さん
「あー、この4年間で充分学べた!何も悔いはない!」
と言って卒業しませんか?

次回は「フィルスタコース紹介②-入学早期の合宿ですぐに学生生活になじんでいける!」です。お楽しみに!


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