フィルスタコースのブログ

中央学院大学 法学部 フィールドスタディーズコースの情報を発信するブログです。

2018年07月

谷川先生は、今年度、3つのゼミ(演習)を担当しています。
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                        [地理学が専門の谷川教授]
ゼミは少人数で顔のわかる関係の中で、さまざまなテーマについてじっくり学んでいく形式の授業です。
今年の谷川ゼミは、2年生の「テーマ演習」、3年生の「コース演習Ⅰ」、4年生の「コース演習Ⅱ」の3ゼミです。
それぞれのゼミで、夏休みに向けてどのようなことをやっていくのかを紹介していただきましょう!

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谷川ゼミでは、毎年の夏休みに、それぞれの調査のテーマに合わせて、スタディ・ツアーを実施しています。

では、今年の夏休みの予定を御紹介しましょう。

まずは、2年生の「テーマ演習」です。
このゼミは、毎年、調査に行く場所が決まっています。そこは、香川県の瀬戸内海の島です。
豊かな島と書いて「豊島(てしま)」(香川県小豆郡土庄町豊島)と言います。
1970年代の後半から1990年代にかけて、産業廃棄物の不法投棄事件が起きた島です。
この事件に関しては、香川県庁が法律違反を認識していながら、産廃処理業者の違法行為を黙認していたのみならず、県の責任回避のために業者に悪知恵を与えていたのです。
当初は50万トンと言われていた、不法に持ち込まれた産廃(最終的には92万トンもありました)の、島外への完全撤去を求めて、豊島の住民は立ち上がりました。
幸い、元・日弁連会長の中坊公平(故人)という弁護士の助力もあって、日本で初めて「公害調停」という場で香川県と闘い、2000年6月に、完全撤去という勝利を勝ち取りました。
2017年3月末に、廃棄物の島外撤去は一応終了しました。しかし、現地の地下水の汚染の浄化には、まだまだ7~8年はかかると予測されています。公害調停成立後、島民たちは「ゴミの島から学びの島へ」とスローガンを掲げ、毎夏、「豊島・島の学校」を開催し、この歴史的な事件を風化させることなく語り継ごうと活動を始めました。
2012年の第10回をもって、10年間続けられた「豊島・島の学校」は終了されることになりました。
谷川ゼミは、毎年、この「豊島・島の学校」に参加していました。その次の年(2013年)からは、参加の常連となっていた複数の大学関係者(中央学院大学・熊本学園大学・阪南大学・愛媛大学など)が、自主的に継続しようと「豊島・島の学校プラス」として継承してきました。今年で第6回目となります。わが「テーマ演習」は、必ず参加してきました。今年も、8月31日から9月2日まで、豊島に行ってきます。

次に、3年生の「コース演習Ⅰ」です。
今年度は17人という大所帯となったため、2班のスタディ・ツアーを組むことになりました。
第1班は名古屋班です。8月20日から22日まで、名古屋とその周辺の歴史と文化を学んできます。メインの訪問先は、「尾張名古屋は城で持つ」の名古屋城に復元完成(2018年6月8日)された、旧・国宝の「本丸御殿」、そして「明治村」、さらに国宝の「犬山城」を見学します。名古屋市内では、大須観音や熱田神宮も見学対象にと検討中です。
「コース演習Ⅰ」の第2班は、8月26日から29日まで、沖縄本島に行きます。
テーマは平和学習ならびに沖縄(琉球)の歴史学習です。過去にも、谷川ゼミでは、沖縄での平和学習を行ってきました。本島南部の戦跡を巡ります。

最後に、「コース演習Ⅱ」をご紹介しましょう。
このゼミでは、福岡ならびに大宰府に行きます。9月4日から6日です。
テーマは、広域中心都市・福岡の都市地理学的学習とその周辺の歴史と文化を学ぶ、です。
広域中心都市・福岡の都市機能と、商人の町・博多と武士の町・福岡の歴史を学びます。さらに、大宰府では、太宰府天満宮と隣接する九州国立博物館を見学します。

本コースだけの独自の授業である「NGO・NGO論」。
利益追求が第一目的の企業活動ではなく、社会に役立つためのさまざまな活動を行うNPO(非営利組織)やNGO(非政府組織)が日本で、世界で活躍しています。
本コースもそうした社会に貢献できる人材を育てることを目標にしているので、この授業は必修の大事な授業です。そして中味も濃い!
というわけで、担当の中台先生が今年も我孫子市の社会福祉協議会の方をゲスト講師に招いて、興味深い体験授業を実施しました。
この体験授業、教職課程を取っている学生には、2、3年生での「介護等体験」にもつながる意味をもっています。
では、中台先生のレポートを紹介しましょう!
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今年も、我孫子市社会福祉協議会の方に、5/24と5/31の2週にわたって講師に来ていただきました。
1週目は「ボランティアについて」の講義を受け、2週目には高齢者体験をしました。
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いつもよりずっとまじめに講義を受けていました。授業の課題であるボランティア体験にこれから臨む学生が多く、自然と真剣になるのでしょうか。
担任の私より話が分かりやすいから、かもしれなかったりしてと、頭をよぎります。
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高齢者の方の様に、手足が動かしにくく、腰も曲がり、杖をつかなければ歩けません。
体のあちこちが重くて思うように体が動きません。視野も狭くなり、色の識別も難しくなります。
軍手を2枚重ねてから箸を使って豆をつかんでみたり、新聞をめくってみたり、些細なことが不自由でした。
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体験授業のおかげで、福祉施設でのボランティアにも前向きに参加することができた、という声を毎年聞きます。
知らないことにはなかなか足を踏み出しにくいけれど、疑似体験であっても社会への参加に背中を押してくれます。
がんばれ、2年生!

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