フィルスタコースのブログ

中央学院大学 法学部 フィールドスタディーズコースの情報を発信するブログです。

2017年02月

谷川ゼミの報告の第3弾です。
2年次テーマ演習では、瀬戸内海の島での学びを実施しました!
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2016年度(夏休み)のテーマ演習フィールドスタディは、恒例の、香川県の瀬戸内海の島・豊島(てしま)でした。

この島は、1980年代に産業廃棄物の不法投棄事件が起きました。当時、日本最大の50万トンの産廃が「野焼き」され、環境破壊を引き起こしたのです。
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95%撤去が進んだ産業廃棄物不法投棄の現場
香川県は、この産廃業者を指導することなく、むしろ「行政の無謬性」ということで、業者をかばう形となりました。ここから、産廃の撤去をめぐって、島民と香川県庁との長い闘いが始まりました。
島民の側の応援団となったのが、故・中坊公平弁護士(元・日弁連会長)とその仲間たちです。政府の公害調停の場で話し合いを重ね、2000年6月に、当時の香川県知事の涙の謝罪とともに、公害調停の合意を勝ち取ったのです。
この事件のお蔭で、政府は、いわゆる産業廃棄物処理法を数度にわたり法改正し、排出者責任を明確にしたり、罰則規定を格段と厳しくしました。結果的に廃棄物は90万トンもあることがわかりましたが、現在はその95%以上が無害化されて島外に搬出されています。
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島の資料館で、豊島産廃対策会議の事務局長の安岐正三さんから説明を受ける。

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島の公民館で、故・中坊公平弁護士のお弟子さんで、中坊弁護士と一緒にこの事件を担当された日高清司弁護士から、事件の概要を聞く。

谷川ゼミは、過去14年間、毎年、この豊島をフィールドとして、この事件の概要を学習し、現場を見学し、島の皆さんから聞き取り調査を行ってきました。
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各班に分かれて、島内の3集落をフィールドワーク。この写真は、唐櫃(からと)地区を案内してくださった笠井厚廣自治会長さんと記念写真。

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弘法大師が掘り当てたという「唐櫃の清水」の前で。

近年は、豊島の再生がテーマとなってきています。産廃問題は解決の方向に行っていますが、少子・高齢化は進み、人口減少も加速し、限界集落化しつつある現状を、いかに打破するか。簡単に答えは出ませんが、学生なりに現地に学び、答えを模索することに取り組んでいます。
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島内各地区のフィールドワークの成果を班ごとにまとめてプレゼンテーション。岡山の山陽放送のテレビ取材が入って、ちょっと緊張。

軍艦島は、2001年に三菱マテリアルから高島町(長崎市に合併前)に無償譲渡されました。
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島内の建物の老朽化や廃墟化が進み、危険な箇所も多く、島内への立ち入りは長らく禁止されていましたが、2005年、報道関係者限定の特別上陸が行われ、荒廃による特異な景観がメディアで紹介され、一躍脚光を浴びることになりました。2008年には、長崎市の「長崎市端島見学施設条例」と「端島への立ち入りの制限に関する条例」が成立し、島の南部に見学通路が整備され、2009年から観光客が上陸・見学できるようになりました。
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解禁後の1か月で4601人が、半年間で34445人が、1年間で59000人、3年間で275000人が上陸しました。軍艦島上陸ツアーによる経済波及効果は65億円に上ると言われています。
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次の日は、長崎の歴史の学習です。「出島(国指定史跡・出島和蘭商館跡)」を見学しました。
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また、写真はありませんが、「長崎チャイナタウン」や「思案橋から旧・丸山花街」を巡検しました。

さらに、チームに分かれて、遠くは「長崎ハウステンボス」まで出かけたり、もう一つの世界遺産候補「長崎の教会群」に関連して「大浦天主堂」や「日本二十六聖人殉教地」を見学したりしました。

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