夏休みも後半となりました。
現社コースの教員も、大学を離れての活動を行ったり、はたまたゼミ生と
ともに合宿に出かけたりと、いろいろな活動をしています。
これから少しずつそれらの活動の様子を紹介していきたいと思います。

まずは川久保先生の話題から。
川久保先生が、8月初頭に国際シンポジウムに参加してきました。
その様子をレポートしていただきます。

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8月2日から3 日にかけて、北海道大学スラブ研究センターにおいて、グローバル
COEプログラム夏期国際シンポジウム「境界研究:21世紀のチャレンジと展望」が
開催されました。テーマ・地域毎に5セッション、2ランチオンセミナーの計7セッショ
ンが組まれ、最終セッションでは、全体討論を総括する形での「境界研究は新たな
世界政治に向けたコンパスか?」と題したラウンドテーブルが配されました。

私が討論者を務めたのは、第1セッション「北米地域を検証する」でした。P・ギャン
サー教授(サインディエゴ州立大学)、V・コンラッド教授(カールトン大学)、水谷裕
佳助教(上智大学)がそれぞれ、北米の境界地域が抱える多様な問題(環境、文化、
先住民の権利)について報告を行いました。主権や安全保障という硬いボーダーと
捉えられがちな国境に対して、人間の生活空間を表象するボーダーとして国境を再
構成する必要性があるという点で、セッション全体での意見の一致をみました。

報告者の国別内訳は、日本、アメリカ、カナダ、ロシア、フィンランド、イギリス、ポー
ランド、ウクライナの8カ国、2日間の参加者は延べ100名に達し、涼しい札幌で熱い
討論が交わされました。日本では、領土やナショナリズムの問題として理解される
ことの多い国境・境界問題ですが、世界中の境界問題・国境問題を多面的に検討
することによって、それを相対化する視点が紡ぎだされることを期待して、今後も
こうした国際プロジェクトに参画していくつもりです。 
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