去る6月1日~2日(土~日)、1泊で現社コース1年生の合同合宿研修を実施しました。

今年2月には昨年度の1年生を対象に行いましたが、今年度は大学入学したフレッシュな
うちに刺激的な体験をしてほしい!との思いから、年度当初に実施しました。
(2月のプログにも詳しく出ています!)

この合宿は3つのゼミに分かれている現社コースの学生全員が一堂に会し、館山市内の
戦跡についての講義を聞き、さらに実際に巡検するのがメイン行事です。

地元で活躍するNPOの皆さんに講義と巡検の案内をしてもらうことで、NPOとは何か、と
いうことについても実地に学べました。
夜には懇親会が開かれ、学生たち全員のユニークな自己紹介に抱腹絶倒、新たな学生の
一面を見ることにもなりました。

午後2時に現地集合すると、午後はNPO法人「安房文化遺産フォーラム」の皆さんによる
館山市の戦跡の講義です。
できあがったばかりという新しいDVDを見ながら、館山市の歴史と戦跡について興味ある
話を聞かせていただきました。
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夕食、休憩のあとは、夜の懇親会。
谷川先生の軽妙な司会のもと、学生ひとりひとりが自己紹介をしましたが、一発芸をする
人や阿波踊りを踊る人など、それぞれの得意芸も飛び出して、楽しい楽しいひとときとな
りました。
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2日目はNPOの方の案内で、楽しみな巡検です。
まずは「北下台(ぼっけだい)」と呼ばれる場所に向かいました。なんと場所は館山セミナー
ハウスのすぐ裏手。
ここには近代日本の水産業を開いた関澤明清(せきざわあけきよ)を顕彰する石碑や、船
舶の遭難碑がいくつも建っていました。
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セミナーハウスにもどってからチャーターバスに乗って、いよいよ戦跡回りに出発です。
まず向かったのは、「赤山地下壕」。市の史跡になっている太平洋戦争中の遺跡です。
第二次大戦末期、日本本土での米軍との決戦が迫るなか、東京湾周辺にはいくつもの
要塞が築かれましたが、ここ館山にもその明らかな証が残っています。その1つが地下
壕です。海岸を望む小高い丘に人力で掘り抜かれた長大な地下壕はに入ると、ここで命
がけの決戦を覚悟していた若い兵士たちの息づかいが聞こえてくるようです。
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次は「かにた婦人の村」に向かいます。
第二次大戦後、心身ともに傷を負って1人で生活していくことの困難な女性達を救った
1人の牧師が世界中の支援を受けてつくった施設です。
この敷地内には、日本人でただ1人従軍慰安婦であることを告白した女性の願いで建て
られた石碑や、赤山地下壕と同じく本土決戦に向けて掘られた地下壕があります。
NPOの方々の特別なご案内でここを見学することができました。
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藪に覆われた入口から中に入ると、往時をほうふつとさせる「戦闘指揮所」や「作戦室」
なとの額のかかったエリアがあります。
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昼食後は、「大巌院」という寺院に向かいました。
ここにはたいへん珍しい「四面石塔」と呼ばれる石碑があります。柱の四面に梵字、中国
文字、日本文字、そしてハングルで南無阿弥陀仏の言葉が彫られた石碑です。
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今から400年近く前の江戸時代初期に彫られたものですが、アジアの友好を願ったものの
ようにも思えます。またこのハングルはごく一時期しか使われなかった形式のもので、韓
国にもこうした文字の碑はないとのこと。とても貴重な遺物です。
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最後は、昼食会場にもどって、ひとりひとりが今回の合宿から得たものについて発表しま
した。

学生たちはこの2日間の合同合宿から何を得たでしょうか。
この行事はこれからも現社コース1年生の公式行事として続けていく予定です。