大学に入学して最初の数ヶ月は、とくに重要な時期です。友達を多くつくり、大学生活に早く慣れるとともに、高校までとは違う大学ならではの勉強のしかたを一刻も早く身につけなくてはなりません。
なぜそうしなければならないのでしょうか?
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そこにはいくつかの理由がありますが、わかりやすい例を挙げましょう。
大学では、高校の先生のように、黒板にわかりやすく内容をまとめて書く、ということをしない授業が多くあります。先生が黒板に書くのは、講義内容のキーワードだけであったり、プリントを配ってそれを中心に進め、ほとんど何も書かない先生もいる。あるいは、パワーポイントの映像を映しながら解説する形で進める授業も多い。要は、「先生が黒板にまとめてくれるのをノートに写す」というつもりでいると、何も手元に残らないまま終わってしまう授業が多い、ということです。
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就職して社会に出れば、上司・同僚あるいは営業先で会う人たちの話を自分でまとめてメモを取る、というような機会が日常的に多くありますが、必ずしもその人たちが黒板に要点をまとめて書いてくれるわけではありません。必要な話を自分でノートに取る、ということに慣れておく必要があるのです。大学の授業は社会に出るための練習だと考えればいいでしょう。
しかし、やったことのない新入生は戸惑うことも多々あると思います。そのためには、入学後の早い時期にノートの取り方を学んでおく必要があります。

あるいは、こんなこともあります。
高校と異なり、大学では1年生から4年生まで、学年の違う学生たちが一緒に受ける授業が多くあります。それでも、いざ試験となれば、「1年生だから」という理由でハンディをつけてはもらえません。大学生として経験を積んだ上級生たちと同じ土俵で評価されることになります。とくにやっかいなのは、レポートという高校までにはあまり課されることがなかった試験の方法があることです。レポートを書けないと、大学生としてはやっていけないのです。では、レポートの書き方というのはきちんと教えてもらえるのでしょうか。そこも気になりますね。
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フィルスタコースの我がゼミでは、1年生の前期に、大学での勉学の基本となる「レポートの書き方」「ノートの取り方」「新聞の読み方」「ネットなどからの情報収集のしかた」「図書館の使い方」など多くの事項を集中的に教えています。
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ここでは、今年も実践した「レポートの書き方」についてご紹介しましょう。

大学生になると、レポートをたくさん書かなければなりません。
レポートを書くには、レポートとはどのようなものか(感想文や創作とはどう違うのか?)、どのような構成・内容で書くか、参考文献や引用文献はどのように書けばいいのかなど、知っていなければならないことが多くあります。我がゼミでは、これら基礎的なことについて1コマの時間でじっくり説明し、まずは一度書いてもらうことが大事ということで、館山合宿での見分を題材に、次回までにお試しレポートを書いてもらいます。
2回目には、お試しレポートを提出してもらうとともに、説明の第2弾として、必要な情報の探し方、ウェブ情報の選び方と利用のしかたについて説明をします。
3回目には、前回提出してもらったレポート全てを縮小コピーしてゼミ生全員に配布し、一人一人のレポートを添削しながら優れた点、直すべき点などを講評していきます。そして、次の回に修正して完成させたレポートを提出してもらうようにします。
4回目には、ゼミ生1人ずつ改善点の修正ができているか確認しながら、レポートを受け取ります。
ここまでの過程で、ゼミ生は全員内容と形式を押さえた立派なレポートが書けるようになります。今年も実質的に3回の授業で、前期中には全員きちんとしたレポートが書けるようになりました!
レポート内容の深まりなどは、各ゼミメンバーのこれからの頑張り次第ですが、基本的なレポートの書き方を入学後4ヵ月でマスターできたことは大きな前進です。